多摩川住宅について 3 (修繕 or 建て替え)

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「修繕」と「建て替え」が見られる場所

今回はト号棟とホ号棟を見ていきます。このト号棟とホ号棟は修繕と建て替えの両方が見られる非常に興味深いエリアとなっています。少し難しい話を交えますが、それぞれ取り上げていきます。

 

ト号棟は大規模修繕

これは「ト号棟」の写真です。 ト号棟は今回は「大規模修繕」を選択した棟です 。 団地は外装をやるととても綺麗になります。白に薄い小豆色と言う色合いが素敵ですよね。

もちろん築50年なので見た目がよければってわけではないのですが、私自身も団地の外壁を見て「意外と綺麗」と思ったのが団地購入のきっかけなので、見た目のビジュアルはとても大事だと思っています(私はたまに外壁を濡れ雑巾で拭いてたりします、見た目は大事!)

 

ホ号棟は建て替えが始まる

こちらはホ号棟になります。 11棟380戸を7棟910戸の分譲マンション に建て替える計画となっており、総工費220億円の巨大プロジェクトとなっています。現在、解体工事が進められおり、完成は2025年予定とのことです。

流れとしては2015年に事業者選定、2017年に「一団地の住宅施設」(=建て替えの足かせとなる制約を持った規定)を廃止し地区計画を策定、2020年8月に建て替え決議が成立といった感じになっています。

※ちなみに「一団地の住宅施設」は諏訪団地(現ブリリア多摩ニュータウン)にもかかっていた制約で、私が住んでる車返団地にも現在かかっている、いわば団地におけるメジャーな制約となります。建て替えの時にはこれを外す必要があります。知識として覚えておきたいワードです。

 

さて、階段室型の団地においては「エレベーター」の話がよく出てきますが、なんとホ号棟は10年前に修繕と建て替えを検討する中で、エレベーターを設置する案があったようです。過去総会の記録を見ると興味深いことが書いてあります。

「大規模修繕(エレベーター込み)だと1世帯あたり数百万円~一千万円を越える負担増となるが、建替えだと負担がゼロ円」

② 「エレベーターの設置についても「一団地の住宅施設」 を廃止しないとできない

①については、私は「ですよねぇ」という感じなのですが、知らない人からみたら意味不明かと思います。ゼロ円になる仕組みを非常にざっくり説明すると、建て替えにより戸数が増えるので余った部屋を売って建築費に充てる感じです。

②についてはエレベーターという「建造物」が増えるので容積率の問題に絡んでくるんでしょうかね?建て替えと同じ法改正をした上で金銭的な課題となると極めて困難な話であることが伺えます。(そもそもEV設置の事例ってUR賃貸であって、分譲ではまず聞きませんからね…)

 

平成18年総会資料 (多摩川住宅 ホ号棟管理組合)
http://tamagawa-ho.slt.gr.jp/seiryu/seiryu233/seiryu233_3.pdf

建て替え後のイメージ図あり (PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000057497.html

 

多摩川住宅の訪問を終えて

今回多摩川住宅を訪問し、色々な気付きを得て、帰宅後も調べものに勤しむなど、私自身とても勉強になりました。歴史もあり未来もあり、素晴らしい街でした。

災害に強く、幅広い世代の方によって住みやすい街になることを願っております。

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